周期的・律動的な動き

 

脈動を辞書で検索すると「脈拍のような、周期的・律動的な動き。また、そのように動くこと」と書かれています。

これをポンプに置き換えると「連続的ではない・周期的な流体の流れ」と考えることが出来ます。

 

脈動が起こるポンプ

 

ポンプの中でも、脈動が起こるタイプと起こらないタイプがあります。

 

水中ポンプや渦巻きポンプなど、インペラを使い遠心力で流体を移送するポンプ(いわゆる非容積式の渦巻きポンプ)は連続流の為脈動は発生しません。

ダイヤフラムポンプをはじめとする「容積式往復動ポンプ」は脈動を発生させます。まずはこの脈動発生のメカニズムについて解説します。

 

脈動発生のメカニズム

 

ここではダイヤフラムポンプを例に脈動発生のメカニズムを解説します。

ダイヤフラムポンプは、液の流路にダイヤフラムを用いて容積変化させることで、液の流れを発生させる 容積式ポンプの一種です。(上図①→②)

容積変化するダイヤフラムの前後に、逆支弁を設けることで、「吸込み工程」と「吐出工程」が、一方方向に液の流れを保ちポンプとしての機能を持たせます。

その為、下図のサインカーブを繰り返しながら、送液を行います。

この「吐出工程と吸込工程のタイムラグ」が脈動発生の原因となります。

 

容積式回転ポンプの場合

 

以上の説明は「往復式容積ポンプ」でしたが、往復式回転ポンプはどうでしょうか。

このタイプのポンプは容積変化による送液原理は同じですが、一般的に回転数が早い為脈動は起こりにくいのが特徴です。(例 一軸ねじポンプなど)

但し、回転数を落として使用する場合は脈動が発生する可能性があります。

1分間に20回転程度の低速運転では、液体が息継ぎをするように吐出される為、脈動が発生している状態になります。

 

脈動が起こすトラブル

 

脈動によるトラブルは

【振動が発生して配管や接合部へ影響】することが一番の要因です。

ポンプ自体の金属疲労や配管の破損、ネジ接合部などの緩みなど、長い目で見ると脈動はトラブルの遠縁になる可能性を含みます。

また、プロセスを担うポンプの場合は、脈動による間欠吐出による製品不良の可能性も含んでいます。

 

 

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