FROM,中島

 

最古のバルブ

 

人類が最初に発明したバルブのルーツとなるのは逆止弁ではないか、とされています。

まだ配管というものが無かった時代から金属の精錬技術は古代から行われていたとされています。

初めにバルブの元となる機構を使用したのは送風機や水撃ポンプの弱視弁ではないかと言われており、時代が経つにつれ、その用途が細分化されていった事がわかります。

 

蒸気に適した玉形弁

 

近代では蒸気の制御に適した玉型弁がイギリスの産業革命の頃に開発されたとされています。

玉型弁は現在でも用いられる構造で、シンプルながらも多くの設備配管で使用されています。

蒸気を流すには、爆発性を持つ気体という特性や高温に対する安全性や耐久性を考慮するため、配管材料には割れない材質(強靭性)の鋼製のものが使用されてきました。

玉型弁はハンドルを回転させ、バルブ内の弁が流体の通路を塞ぐことによって遮断、解放を行う為、玉型弁は急に解放できないことから、一気に送り出すと危険な蒸気では最適ともいえる構造です。

 

樹脂の開発

 

戦後、バルブの構造に大きな変化がありました。

樹脂成型技術の発達により性能が大幅に改良された二種のバルブが代表的です。

・バタフライ弁

・ボール弁

この二種のバルブは戦前より存在していながらも、弁とそれを囲むシートの密閉性の精密加工技術の未熟さから現代の用途では使用されていませんでした。

バタフライ弁は弁体とシートを反転させることで密閉、解放を行い、

ボール弁は通水経路が確保されたボール(球の中心に通路がある)により、密閉と開放を行う基本的なバルブの構造です。

 

両止め弁

 

基本的な構造の止め弁は、正流と逆流の両方を閉止する頃が出来るバルブです。

古代から利用されたコックに加えて、仕切弁、玉形弁、ダイヤフラム弁や、ボール弁の他、医療やスラリー用で活躍するピンチ弁など多くの構成原理をもつものが開発されてきました。

どの構成も熟考されており、どれも構成は至ってシンプルです。

止め弁の基本構造は4つに分類され、弁体の動作から以下のような分類となります。

①押し付ける(蓋をする)

②仕切る(スライドさせる)

③押しつぶす

④回転する(90度回す)

これらはあくまでバルブの開状態から全閉状態にいたる弁体の動きを示したもので、最終的には全閉状態でどれも押し付けを行い、バルブシートの密閉を完遂する事でバルブとしての役割を果たします。

前述した玉形弁や、ダイヤフラム弁は一般的に丸い形のハンドル車でネジ構成の弁棒を何回転もしてバルブの開塀を行うため、その構造を

「マルチターン形」と呼びます。

一方ボール弁、バタフライ弁はコックと同様、レバーハンドルで90度回すだけで開閉を行うことから、「パートターン形」「クウォーターターン形」と呼ばれます。

一般的に汎用弁として用いられる止め弁は、仕切り弁、玉形弁、ボール弁、バタフライ弁の4種類で、ピンチ弁とダイヤフラム弁は特殊な用途に限られます。

また、サンダース弁と呼ばれるダイヤフラム弁がありますが、パックレス(パッキンをもたない構造)のダイヤフラム弁を用いており、食品医療、バイオ、半導体分野などのニッチな分野で活躍しています。

 

逆流だけを止める逆止弁

 

止め弁が基本的に正流及び逆流の双方を閉止できることに対し、逆止め弁(逆止弁・チェックバルブ)は逆流のみを確実に止めます。

つまり、止め弁の様に正流を止めたり、流量を絞ったりすることはできません。

逆止弁はスイング式、リフト式、デュアルプレート式、ティルティング式などありますが、設備や機械配管で多く用いられるのは、スイング式、リフト式、デュアルプレート式です。

 

各種止め弁の特徴一覧