私たちの暮らしの中で、モーターは実にさりげなく、しかし確実に働いています。
朝の歯磨きに使う電動歯ブラシから、通勤に使う電車、スマートフォンのバイブレーション、エアコンの風を送るファンまで──モーターがなければ、現代の快適な生活は成り立ちません。
でも、そんな身近な存在でありながら、「そもそもモーターってどうやって動いているの?」と聞かれると、自信を持って答えられる人は意外と少ないのではないでしょうか。
この特集では、この特集では、難しい数式や専門用語は最小限に抑え、イラストや身近な例を交えながら、モーターの基本的な仕組みをわかりやすく解説します。
難解な理屈は置いておいて、
「そもそもモーターってなに?」
「どうして回るの?」
という素朴な疑問からスタートします。
ちょっとした知識が、あなたの生活とテクノロジーの距離をぐっと縮めてくれるはずです。
モーターの話に入る前に、まずはその“原動力”となる「電気」について、少しだけおさらいしておきましょう。
理科の授業で「電流は電圧によって流れる」とか、「電気が流れると磁力が生まれる」といった話を聞いた記憶はありませんか?
勤勉なあなたならきっと覚えているはずです。
そう、あの懐かしい「オームの法則」や「右ねじの法則」です。
・・・詳しくは思い出せない?
そうですよね、やや抵抗感を感じるかもしれませんが、安心してください。
ここでは数式を覚え直す必要はありません。
大切なのは、
“電気が流れると磁場が生まれる”という性質。
モーターの回転は、この現象をうまく利用することで成り立っています。
つまり、モーターを理解するカギは「電気と磁気の関係」にあるのです。
それでは、モーターについてまずは電気の性質から、紐解いていきましょう!