一番手軽な移送方法

 

一番手軽な粉体移送方法は、「人手を使った持ち運び」を除くと、

・ダイヤフラムポンプによる移送

になります。

 

大きなスペースと、莫大な予算があれば、様々な粉体移送方法を選ぶことが出来ますが、スペースも無く、大掛かりな設備も選べない、となるとダイヤフラムポンプでの移送を推奨します。

そこで、このセクションではダイヤフラムポンプの基礎知識を解説します。

 

ダイヤフラムポンプってなに?

 

工場や現場で使われているポンプにはさまざまな種類がありますが、その中でも「ダイヤフラムポンプ」は、ちょっと面白い仕組みを持ったポンプです。

一言でいうと、ゴムの膜(ダイヤフラム)を動かして、液体や粉体を吸い込んで押し出すポンプです。

この“膜”は、まるでペコペコ動く風船のように、空気の力や機械の力で引っ張られたり押されたりします。

その動きによって、液体や粉体を吸い込み、押し出すという動作をくり返しているのです。

注射器を自動で動かしている、というとイメージしやすいのではないでしょうか。

 

 

実は私たちの体にある「横隔膜」も英語で diaphragm と言い、呼吸の際に上下して空気を出し入れする仕組みは、ポンプと非常によく似ていますね。

ダイヤフラムポンプも、まさにそのように膜を上下に動かすことで、流体を出し入れしているんです。

そんな、ダイヤフラムポンプの基本の動きは、実はとってもシンプル。

 

膜が引っ張られる→ 中が負圧(真空に近い状態)になり流体(液体や粉体)が吸い込まれる

膜が押される→ 吸い込んだ流体が押し出され、出口から送り出される

 

この動きを交互にくり返すことで、連続して流体を送り出すことができます。

また、ポンプ内にはボール状の逆止弁(一方向にしか開かない弁)がついており、流れが逆流することはありません。

 

 

ダイヤフラムポンプのメリット

特 徴 解 説
電源不要 コンセントがなくても使える/防爆エリアでも安心
自吸ができる 液面より高い位置から吸い上げ可能
ドライ運転OK 空運転しても壊れにくく、安心して使える
高粘度・粉体にも対応 ペーストや粉など、幅広い流体を移送できる
シンプル構造でメンテが楽 部品点数が少なく、分解・洗浄が簡単