「生産性」という言葉は、工場でのオペレーションに従事している方には馴染みのある言葉だと思います。

そこでの生産性の意味は「今まで1時間かかっていた作業が半分になる」という内容での生産性向上、もしくは「今まで2人で作業していた仕事が1人でできるようになった」という生産性向上など、イメージがしやすいのではないでしょうか。

 

実際、日本の製造現場の生産性は長らく世界トップを走り続けており、国際社会での競争力を維持する原動力であることは間違いない事実です。

しかし、まさにその為に日本では「生産性」という言葉(概念)が「工場の効率化」という意味でのみ捉えられています。

また生産性という概念が、「生産性の向上=コスト削減」という一点のみで捉えられているケースも少なくありません。

 

では、そもそも「生産性」とはなんでしょうか?

 

生産性を上げるふたつの方法

生産性は「成果」とそれを得るために投入された「資源量」の比率として計算されます(下記図)

簡単な例でいえば、一〇人のチームで一〇億円の売上を上げる事業のひとり当たり売上は一億円です。同じ額の売上を五人で達成するチームがあれば、ひとり当たり売上は二億円となり、後者の労働生産性は前者の二倍となります。

上図の計算式「成果」には売上や付加価値額、達成目標の価値額などが入り、「投入資源量」には資金や労働時間、労働者数などが入ります。つまり「成果を得るためにどれだけの投資をしたか」と言い換えることができます。

このため、生産性を上げる方法としては、成果を増やすことと投入資源量を少なくすることです。

上図は工場のオペレーションだけではなく、ありとあらゆる業務にも当てはめることが可能です。

オペレーション以外の部分の生産性についてはあまり意識されることが無く、そのことが日本全体としての生産性の低さに繋がっているのが実情です。

 

※続きは2017年9月発行の「流体技術マガジンNo.2」でお楽しみください。