液体を移送する事を目的とするポンプにおいて、液漏れは簡単に異常だと認識できますが、局所的な【増し締め】【パッキン交換】のみでは解決できない、潜在的な考えられるリスクについても考える必要があります。
漏れの原因とは?
ポンプには様々なパッキン(シール)が使用されていますが、パッキンの経年劣化によっての漏れはパッキン交換によって簡単に直すことができます。
また、ポンプケーシング部などはボルトによって密閉されていますが、長年の使用により緩みが生じ、漏れが発生する場合はボルトの増し締めで解決できます。
潜在的なリスク
直すのは簡単な為、見逃しがちですが、液漏れそのものの周期には注目する必要があります。
あまりにもパッキン交換が頻繁な場合、使われているパッキンの材質が使用液に合致しているかの確認が必要です。
一般的にはシール部品は消耗品として1年での交換を推奨されます。
それ以上での頻度で漏れを起こし、パッキン交換を行っている場合は、パッキン材質の見直しを検討するのをお勧めします。
またボルトの増し締めにおいても、メーカーの日常点検以上の頻度で液漏れが発生する場合、キャビテーションなどによる過振動となっている可能性があります。
併せて異常音の有無を確認するなど、キャビテーションの可能性を探ります。
また、圧力上昇により液漏れが発生する場合があります。
ダイヤフラムポンプなど、容積型のポンプは吐出側は閉塞状態に使いと、どんどん圧力を上げて行ってしまいます。
圧力が上がっていく際に流体は弱い部分から逃げようとするので、シール部分や配管のフランジ部分からか予想がつかない場所から液が漏れ、閉塞が発覚するケースがあります。
液漏れを起こした場合は
・パッキン交換
・ボルト増し締め
・キャビテーションの確認
・閉塞運転など異常圧でないか
を必ず確認するようにします。
予防と対策
まずは材質的な耐蝕性はもちろん、日常的な点検において小さな漏れを見逃さないことが後の事故を防ぎます。
吐出側の閉塞運転に関しては、容積型のポンプを使用している場合は必ず圧力計を取り付けるなどし、目視で圧力を確認できるようにします。
閉塞運転での液吹き出しの根本解決としては、容積型を選択するので有ればエア式のダイヤフラムポンプが安全です。
電動式とは違い供給エア圧以上には圧力が高くならない為、どこまでも上げ続ける電動式より安全と言えます。