苛性ソーダとは?

苛性ソーダは通称になり、化学名は「水酸化ナトリウム(NaOH)」です。

代表的な強アルカリ薬品です。

pH12程度の強いアルカリ性で水に溶けやすい性質を持つ薬品です。

 

その強いアルカリ性の性質を利用して、さまざまな酸と反応(中和)させたり、物質を溶解させたり、還元剤など広範囲に使われています。

工業用は、主に液体苛性ソーダ(濃度50%)として流通。一部「固形苛性ソーダ」(濃度95%以上)としてフレーク状や粒状の製品もあります。

排水処理などにおいて、pHの調整剤として広く使用されています。

 

苛性ソーダが付着したら

苛性ソーダは人体に有害です。

皮膚や目に付着することで、失明や化学熱傷を引き起こし、再生できない傷が残るので、取り扱う際は保護メガネやゴム手袋など保護具が必須です。

 

苛性ソーダが皮膚に付着すると、その部分が「ぬるぬる」します。

やがて強い痛みが来ますので、皮膚に付いた場合はすぐに大量の水で洗い流すようにして下さい。

この「ぬるぬる」は強アルカリである水酸化ナトリウムが手のタンパク質を分解するからだ、と言われています。

 

要するに手が溶けているわけですが、人間の再生能力により、すぐに大量の水で洗えば、傷跡になる可能性がグッと下がります。

 

衣服についた場合も、多量の水で十分洗い流してください。

木綿などの植物性繊維は水酸化ナトリウムに比較的侵されにくいですが、動物性繊維はひどく腐食作用を起こします。

苛性ソーダは目に入ると特に危険で失明するおそれがあります。

薬液補充時や薬液ポンプを触る際は、必ず安全めがね(保護めがね)をかけるように管理をして下さい。

 

水で溶かす際は注意

水酸化ナトリウムを水で溶かすときは、激しく発熱して湯気が発生します。

湯気(水酸化ナトリウム水溶液)には毒性があり、刺激臭がします。

湯気を吸わないように換気の良い所で取り扱いましょう。

 

法的な制約

苛性ソーダは5%濃度以上になると劇物に指定され、毒物及び劇物取締法の規制を受けます。

実際の現場としては毒物及び劇物取扱法の「業務上取扱者等は、毒物劇物の盗難・紛失防止、流出・漏洩等の防止のための措置を講じなければならない」とある為、例えば苛性ソーダを入れる薬液タンクには南京錠などで容易に開けれない構造とする、など対策が必要です。

 

また、硫酸と同じく経済産業省管轄で、PRTR制度に基づく量的な把握管理が必要な場合があります。

硫酸及び苛性ソーダの法的な規制の説明は、毒劇物取締法の一部を抜粋して説明しております。

詳しくは所轄の役所へ確認するのが確実です。