ポンプからの漏洩リスク

前項で事故の事例を紹介しましたが、設備の老朽化が事故の要因として多く、次点で作業者のオペレーションミス、という事がわかるかと思います。

硫酸や苛性ソーダを移送するにおいて、ポンプは圧力をもって移送するので、特に故障時の漏洩リスクを考えての選定が必要です。

実績も多く、今でもタフに現場で使われているポンプを、エイチツーのラインナップからご紹介します。

 

液中に沈めるタイプ

エイチツーのLCシリーズは、苛性ソーダや硫酸の原液の中にも沈めれる水中ポンプです。

耐食性を保証しているので、安心して使用できます。

地上にポンプを置くよりも、水中にポンプが沈んでいるので、万が一故障して液が漏れても、外部に液が漏出する心配が全くありません。

 

フロートスイッチ仕様にも対応しているので、タンクの液位が高くなったらポンプON、低くなったらポンプOFFという制御も完結する事が可能です。

別途レベルセンサ不要で、リスクが少なく移送できるシステムです。

 

閉塞運転に強いポンプ

例えばポンプの吐出側が詰まった時、または吐出側のバルブを閉めたまま運転させてしまうと、閉塞運転となり、配管内の圧力が上昇し続け老朽化した配管を破損させるケースが考えられます。

そのようなリスクに対応できるのがエアダイヤフラムポンプのADDシリーズです。

エア駆動なので、電動モーターのポンプとは違い、閉塞時にも供給エア以上の圧力にはならず、ポンプが自動で停止します。

例えばエア供給圧が4Kpaの場合は閉塞しても4Kpa以上に上昇せず0.4に達した時点でポンプが停止します。

脈動のあるポンプですが脈動減衰器の使用である程度無脈動に近づける事も可能です。

 

微量を正確に注入するポンプ

排水処理や微量のpH調整などに使われるのが定量ポンプです。

定量性に優れているので、少しだけpHを下げたい、そんな用途で多く使用されています。

基本的にはダイヤフラムによる往復運動で流体を移送します。

メカニカルシールなどの摺動部が無い構造なので、漏れには強いポンプです。

ただ微量を定量注入するデリケートな部品精度なので、メンテナンスをしっかりしないと、注入精度にブレが出ます。

一般的にはホースでの移送が多い為、ホース自体の消耗にも注意が必要です。