減圧弁
減圧弁は、レギュレーターとも呼ばれ、その名の通りエアーなどの流体の圧力を下げる機器です。
使用目的は主に二つ。
1.下流側の機器の必要圧力に合わせて、圧力を落とすこと。
2.落とした圧力で保持し、機器の動作を安定化させる役割。※圧力を上げることはできません。
内部各機器の役割
・調圧ハンドル…調圧バネでダイヤフラムを押すため、その押す力を調整する。
・調圧バネ…このバネでダイヤフラムを下に押して、一次側のエアーを調整する。
・リリーフポート…2次側の圧力が上がりすぎた際に、不要なエアーを排出する。
・ダイヤフラム…下部の弁体に力(圧力)を加えて、弁体の開閉を制御。
・弁体…ダイヤフラムの動きと連動して、エアーの流れを開けたり閉めたりする。
・弁バネ…常に非常に弱いですが、力を加えて弁体の動きを安定させる。
減圧弁の仕組み
減圧される仕組みとしては、減圧弁内部のダイヤフラムを、「調圧のバネの力」と「エアーの圧力」で押し合っていることでエアーの調整ができます。
調圧バネの力の方が強いとと弁体が開きエアーが流れます。
反対に2次側の圧力の方が強いと弁体が閉じてエアーが止まる仕組みとなっております。
設置場所
設置する場所としては、フィルターの下流側、ルブリケーターの上流側に設置してください。
減圧弁は内部構造が複雑で、異物やオイルに弱いため、フィルターで異物を除去した後に設置します。
エアフィルター
よく使用される場所としては、自動車です。
エンジンに取り込む空気をろ過する役割として使用されます。
減圧弁の前に設置する理由としては、圧縮空気内の異物や水分、油分を除去する役割で、減圧弁が故障しないように守ってくれるからです。
また、定期的なフィルター交換は忘れないようしてください。
ルブリケーターとは
結論からいうと、絶対に付ける機器ではなく、あくまでも推奨している機器とお伝えいたします。
レギュレーターとは、エア機器に潤滑用オイルを常に供給させるための機器です。
ルブリケーターにはオイルを給油する口があり、そこから補充をするとボウルにオイルが溜まり、設定の量を補充する仕組みとなっております。
そのため、給油が必要な機器を使用する場合には、必須となる機器です。
ルブリケーター推奨理由
前述しましたが、推奨機器とお伝えした理由は、ダイヤフラムポンプは無給油式だからです。
それでも推奨する理由は、いずれメンテナンスが必要となり、その際に駆動部へオイル、グリスの補充が必要になるケースが多い所にあります。
ダイヤフラムポンプは無給油式でも、駆動部が乾いてしまうと故障につながるため、長い目でみるとルブリケーターはつけた方がいいかもしれませんね。
脈動減衰器
脈動減衰器とは、ダイヤフラムポンプのような往復駆動ポンプからどうしても出てしまう脈動を低減する機器です。
脈動の低減方法としては、脈動減衰器の真ん中あたりに入っているダイヤフラムに、エア圧をかけることによって、液の脈動を減らすことができます。
エアー入れすぎ注意
脈動というのは、液体が配管などの管を通る際に生まれる一定のリズムで起こる波です。
そのため、その波と同じ圧のエアー圧を入れてししまうと、脈動減衰器内のダイヤフラムが動かない状態になってしまうので、脈動を減らすことができません。
脈動減衰器側の圧力とポンプ吐出圧が一番良いところ、内部のダイヤフラムが一番動いている状態の圧力をかけることが出来れば脈動をより減衰させることができます。
脈動が一番減衰する方法
結局どうやってやれば一番減衰するのかを説明させて頂きます。
まず脈動減衰器を設置するにあたり背圧が必要となりので、脈動減衰器の吐出側に背圧弁、もしくはバルブを設ける必要があります。
背圧弁は、流れてくる流体に対して、背圧弁のスプリングを用いて圧をかけることができます。
この圧をかけないと減衰ができないため、何度も言いますが脈動減衰器の吐出側の配管には、背圧弁かバルブを設置してください。
続いて圧力計のご説明とさせて頂きます。
脈動を減衰させるためには、背圧がないと脈動の減衰ができないとお伝えしましたが、他にも圧力計が必要です。
圧力計の設置場所としては、ポンプの吐出側です。
そして、ポンプ吐出側に設置した圧力計に出ている数値に、0.7~0.6を掛けもらって、その圧力の数値を減衰器へ入力して頂くことを推奨しております。
例.吐出圧 0.4MPa×0.7 = 減衰器入力圧 0.2~0.3MPa