コンプレッサーとは?
コンプレッサーとは「気体を圧縮して圧力を高め、連続的に送り出す装置」のことです。
コンプレッサーは日本語訳すると「圧縮機」。
気体を圧縮してタンクに貯めて、それを一気に放出して力や熱に変換します。
日常生活では、車の部品として組み込まれていたり、冷蔵庫、エアコンの心臓とも言える重要な役割をしている機械です。
簡単にコンプレッサーの仕組みを解説をすると、まず周囲の空気を吸い込み、この吸い込んだ空気をピストンやスクリューなどの機構を用いて圧縮し、そのあとエアタンク内に蓄積します。
圧縮された空気は、使用する際に必要に応じて圧力を調整され、エアツールやさまざまな機器へと供給されます。
使用後の空気は排気され、圧力が低下すると再び新たな空気が吸い込まれるというサイクルを繰り返します。
事項ではコンプレッサーの選定におけるポイントを解説したいと思います。
コンプレッサー選定
エアーコンプレッサーは、その用途や機能に応じて多様な種類が存在します。
主な分類として、タンクの容量、吐き出し空気量、馬力、最高圧力、そして潤滑方法が挙げられます。
それぞれ解説していきます。
タンクの容量
エアーコンプレッサーのタンク容量とは、一度に蓄えることができるエアの量を指し、リットル(L)表記です。
容量を選ぶ際は、どの程度の時間エアを使用するのか?そのエア機器はどの程度のエアを消費するのか?を見極めることが大切です。
例えば、あまり大きなトルクを必要とせず、断続的な使用には、6リットルから30リットル程度の小さなタンクが適しています。家庭での使用やひとつのエアツールをたまに使う場合には問題ありません。
中規模の作業には50リットルから100リットル程度のタンクが適しているとされています。
例えば自動車のメンテナンスや小規模な工場での使用に向いています。
大きな工場、もしくは連続的にたくさんのエアを使用する機器を動かす場合には、それ以上のタンク容量の確保が必要です。
吐出空気量
エアーコンプレッサー性能の重要な指標のひとつが、吐出空気量です。
これは、エアーコンプレッサーが1分間に吐き出すことができる空気の量を表し、リットル/分(L/min)または立方メートル/分(m³/min)で表示されます。
例えば、あなたが使おうとしているエアツールが、一分間50リッターの空気を消費するとします。
その場合、コンプレッサーの吐出空気量が50リッター以上あるものを選びます。
もしコンプレッサーが50リッター以下のモノだった場合、連続でエアツールを使っていると、コンプレッサーの吐出が間に合わず、タンクに圧力が溜まるまで待たないといけない、という事態になります(連続で使用出来ない)。
例えば、軽作業や趣味の使用には、約50~150リットル/分の吐き出し空気量が適しています。
工業用途には、最低でも約150~500リットル/分の吐き出し空気量が必要と言われています。
工業用途では、より高い性能と持続力が求められるため、適切な吐き出し空気量を持つモデルを選ぶ必要があります。
大規模な工業用途や重機器の使用には、500リッター以上の大きな吐き出し空気量が必要となります。これにより、建設現場や大型工場での連続的な作業が可能になります。
馬力(出力)
馬力は、基本的にはエアコンプレッサーの総合的な能力に影響します。
つまり、流量の大きなコンプレッサーを選ぼうとすると、必然的に馬力も上がります。
また、最高圧力の高いものを選ぼうとしても、コンプレッサーの馬力も大きなものになります。
大きいほどより強力なエア圧縮能力を持ち、トルクの必要なツールや連続使用に適しています。
小規模な作業には、2馬力のエアーコンプレッサーが一般的です。
大きな作業場や小規模な産業用途には、5~10馬力程度のモデルが適しており、より高い性能と持続力(連続使用)が可能です。
重作業や大規模産業用途、連続使用が必要な場合、10~20馬力以上の高馬力モデルが求められます。
これらの大型モデルは、複数の大型ツールを同時に運用する際にも安定した性能を発揮します。
圧力
最高圧力は、機器が発生させることができる最大の圧力を意味します。単位はMpaです。
圧力はエアツール自体に上限と下限が設定されているので、直前にレギュレータなどで圧力調整をします。
圧力調整は下げる事は出来ても、上げる事は基本的には出来ない為、注意が必要です。
潤滑方式
エアーコンプレッサーの潤滑方法は、給油式とオイルフリー式の二つのタイプがあります。
給油式は、内部の機械部品をオイルで潤滑する方式です。
耐久性があり、大きなトルク用途や産業用途に適しています。
高い負荷に耐えるため連続的な使用に対応できまが、定期的なオイル交換やメンテナンスが必要です。
オイルフリー式は、オイルを使用せずに運用されるためメンテナンスが容易です。
また、清潔な空気が必要な環境や食品加工、医療機器などの用途に向いています。
オイルフリー式はオイルによる汚染の心配がありません。