圧縮エアの供給システム

圧縮空気(エア)は大気中の空気を使うので、空気中の様々な不純物を含んでいます。

医薬品や食品工場では、エアツールの排気からそのような不純物が排出されてしまうと、製品の品質を損なう可能性があり、管理が必要です。

そして品質は「空気を圧縮する」だけでは実現出来ません。

圧縮空気の品質を実現するための供給設備は用途により様々ですが、一例を示します。

 

圧縮空気の品質とは?

圧縮空気は、さまざまな用途で使用されますが、エアを使用する装置・工具の種類によって、求める空気の品質が変わります。

そんな、さまざまな用途に使用される圧縮空気の品質の指標基準として、 国際規格であるISO規格と日本工業規格であるJIS規格が、汚染物質別に圧縮空気の清浄等級を規定しています。

工作機械やエア工具など、工場の空気で動く機械を選定する際は、装置側の求める空気の清掃等級を予め確認しておくと、納入後のトラブル回避等につながります。

エアツールの購入などの際には、それ自体が求める品質を確認しておく必要があります。

 

下段にISO等級表を記載します。

国際規格ISO8573ー1は、圧縮空気を汚染する物質として、

①固体粒子

②湿度及び水分

③オイル

ごとに、その含有する量によって等級を定めています。

0に近いほど、品質の高い圧縮空気の等級ということになります。

 

オイルが除去しにくい

3要素のうち最も除外しにくい物質がオイルです。

オイルを除外するためにオイルミストフィルターが用いられますが完全に除去する事が難しいのです。

圧縮空気品質をクリアする為には、オイルを発生させない環境が必要になります。

 

根本的な解決案として、コンプレッサのオイルフリー化が効果的になります。

その名の通り、オイルフリーコンプレッサを使用すれば、混入するオイルそのものが無いため、除外する必要もありません。

当然、その先で使用するツールも求める圧縮空気がオイルフリーである必要があります。

オイルフリーコンプレッサを使う事で、オイルの充填・交換も不要になり、オイルミストフィルタの清掃交換も不要になります。

 

下段に、それぞれの用途別で必要とされる圧縮空気品質の一覧を載せておきます。

あくまで参考ですが、御社工場の用途を参照頂き、エアツール環境向上にお役立て下さい。