サニタリー配管とは?

「サニタリー」と聞くと、トイレ周りなどを思い浮かべるかも知れませんが、サニタリー自体の意味に「衛生的であること」とあるように、サニタリー配管は食品や化粧品、化学品を製造する工場内で使われる配管の種類の事で、一般の配管よりも衛生度を特に重視する目的で作られた配管です。

 

サニタリー配管の特徴

①表面・内面共に研磨処理されています。

汚れが付いても洗浄がし易いように表面を研磨処理 (電解研磨など) してあります。

 

②配管を取り外して洗浄し易いように簡単に脱着出来る継手(サニタリー継手)が使われます。

ネジ込みの継手の場合、工具を使ってトルクをかけて脱着しますが、分解洗浄を前提とした場合は手間になります。

また、何度も繰り返しているうちにネジが破損する可能性があります。

フランジ継手の場合は一箇所を外すために何本もボルトを外す必要があり容易ではありません。

ヘルール式継手なら蝶ネジ一つを手で回せば脱着可能で分解にかかる手間を大幅に抑えます。

また、サニタリー継手のネジ式継手は特殊なネジ (台形ネジ) を採用しているため繰り返しの脱着にも破損し難い構造になっています。

 

③分解洗浄し易いように肉厚を薄くして軽量化を図っており、一般的なステンレス鋼の半分程度の重さです。

 

④接液部に段差が出来ないように工夫してあります。

一般的な配管のネジ込み継手やフランジ継手等では配管の内面に段差や溝があります。

段差や溝があると、洗浄をし切れない可能性があり、残った残留物が製品不良へ繋がるリスクがあります。

サニタリー継手はこのような段差や溝を極力無くすような構造をしているため、洗浄性が極めて良く、残留物が不良品へ繋がるリスクを軽減することが出来ます。

 

ヘルール継手とは?

ヘルール継手とは、組付・分解がし易いようにガスケット(パッキン)を挟んでクランプバンドで固定する継手の事を指します。

なお、名称としてサニタリー継手(配管)も同じ意味です。

ヘルールの規格について

ヘルール管には規格がいくつかあり、

・ステンレス鋼サニタリー管(JIS G 3447)

・配管用ステンレス鋼鋼管(JIS G3459)

が主な規格です。

ステンレス鋼サニタリー管(JIS G3447)には呼びはありません。外径、厚さが規格されているだけです。

継手にもそれぞれのサニタリー管用の継手が市販されていますので、使用するサニタリー管に合わせた継手を選定するようにして下さい。

 

継手の規格について

IDF/ISO規格の場合は、1.5Sや2.5Sなどの呼びとなります。

JIS G3459 に対応したガス管サイズの場合、32Aや40Aなどの呼びとなります。

ヘルールを締めるクランプは共通にIDF/ISO 規格のものが利用できる場合が多いです。

複雑でどの規格が合うのかわかりにくい場合は継手メーカーなどに聞くようにすると確実です。

また、継手選定の際は必ず相手側の外形や内径などを確認してください。

 

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