※厚生労働省「HACCP に沿った衛生管理の制度化に関するQ&A」より抜粋
Q. HACCPに沿った衛生管理を実施していることを、事業者はどのようにして認証を受けるのか。
HACCPに沿った衛生管理は、認証や承認の制度ではありません。
事業者の実施状況については、保健所等が、営業許可の更新時や通常の定期立入検査等の際に、HACCP7原則の考え方に基づいて、衛生管理計画の作成や実践がなされているか監視指導が行われる仕組みとなります。
Q. 保健所からの指導はどのようにして行われるのか。例えば、衛生管理計画に不備があった場合、直ちに行政処分の対象となるのか。
事業者が衛生管理計画の策定やその遵守を行っているかについて、保健所等が、営業許可の更新時や通常の定期立入検査等の際に確認することとなります。
事業者が衛生管理計画の策定及びその遵守を行わない場合、まずは行政指導が行われます。
事業者が行政指導に従わず、人の健康を損なうおそれがある、飲食に適すると認められない食品等を製造等した場合には改善が認められるまでの間、営業の禁停止などの行政処分が行われることがあります。
Q. HACCP に沿った衛生管理の制度化により、現在の衛生管理はどのように変わるのか。何か新しい設備を設けなければならないのか。
HACCP に沿った衛生管理の内容については、これまで求められてきた衛生管理を、個々の事業者が使用する原材料、製造・調理の工程等に応じた衛生管理となるよう計画策定記録保存を行い、「最適化」、「見える化」するものです。
特に、小規模事業者の皆様に取り組んでいただくことになる「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」については、事業者団体が作成し、厚生労働省が確認する手引書を利用して、温度管理や手洗い等の手順を定め、簡便な記録を行うことを想定しており、比較的容易に取り組めるものです。
衛生管理の計画と記録を作成することで、衛生管理の重要なポイントが明確化され、効率的な衛生管理が可能となり、さらには保健所からの監視指導の際の応答や顧客など外部への説明も容易になるなどといった利点も生じます。
なお、HACCP は工程管理、すなわち、ソフトの基準であり、必ずしも施設設備等ハードの整備を求めるものではありません。
今回の制度化に当たっても現行の施設設備を前提とした対応が可能です。
(注)HACCP 導入を機に、自主的に施設設備の整備を希望する事業者に対しては、「食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法」により、金融上の支援措置を受けることが可能。
Q. どのような事業者が「HACCP の考え方を取り入れた衛生管理」の対象事業者になるのか。小規模事業者とはどの程度の規模を指すのか。
「HACCP の考え方を取り入れた衛生管理」の対象となる事業者については、その要件を政令で定めることとしており、具体的には、
① 小規模な製造・加工事業者、
② 併設された店舗で小売販売のみを目的とした菓子や豆腐などを製造・
加工する事業者(※1)
③ 提供する食品の種類が多く、変更が頻繁な飲食店等の業種(※2)
④ 低温保存が必要な包装食品の販売等一般衛生管理のみの対応で管理が可能な業種などを想定しています。
※1 菓子の製造販売、食肉の販売、魚介類の販売、豆腐の製造販売等
※2 飲食店、給食施設、そうざい・弁当の調理等
小規模事業者の規模に関しては、事業者団体が作成した手引書で想定されている規模等を踏まえ、「食品の製造又は加工を行う者のうち、一の事業所において、食品の製造及び加工に従事する者の総数が 50 人未満の者」という案を提示し、「食品衛生管理に関する技術検討会」において検討を進めています。
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