ポンプメーカーとして身近な存在である「薬品メーカー」。

普段からやり取りの多い業種のキーマンと、今回はスペシャル企画として特別インタビューをさせて頂くことが出来ました。

それぞれの業界で危機感を持って仕事をしている方達の、本音のインタビューをお楽しみください。

 


 

長谷 ご無沙汰してます、すいませんわざわざ名古屋まで来て頂いて。

芹沢さん(以下敬称略) いえいえ流体マガジンのインタビューをして頂けると聞いて。

長谷 改めてインタビューというのも気恥ずかしいですが(笑)

芹沢 ちょっと前、東京の赤羽で飲んだばっかりですもんね。

長谷 カップ酒のおでん出汁割り、旨かったですね~

芹沢 (笑)長谷さんインタビューしなくて大丈夫なんですか?

 

芹沢薬品について

長谷 それでは改めて、御社についてざっくり教えて頂けますか。

芹沢 弊社ですが、先々代が化学薬品の小分けからスタートした会社になります。沼津市を中心に地域に根付いた薬品会社として、今年60周年を迎えます。

長谷 60年ですか!凄いですね。

芹沢 販売の中心は無機薬品で、いわゆる工薬(工業薬品)です。苛性ソーダ、塩酸、硫酸、次亜、PACなどが中心です。

長谷 うちもよく買わせてもらう薬品ですね。

芹沢 はい、長谷さんにもたまに買って頂いています(笑)有機もやっておりまして、メタノールやエタノールなども設備を持っています。

 

長谷 芹沢薬品の強みは何になりますか?

芹沢 強みですか。うちは希硫酸の設備を持っていることが特徴的ですね。メーカーから入れる濃硫酸98%を独自の設備で任意の濃度に希釈できます。

長谷 独自の設備?

芹沢 濃硫酸に水を入れると発熱して爆発するので、かなり大がかりな冷却装置を持っていますね。

長谷 それは薬品屋では珍しい?

芹沢 あんまりないですね。

長谷 強みは希硫酸を作る設備を持っていることだけ!と書いておけばいいですか?

芹沢 (笑)待ってください、せっかくなんで、あと3つくらい言わせてください。1つは、尿素水と栄養剤が強いですね。

長谷 尿素水はうちでもお世話になってる、アドブルーですね?

芹沢 そうですそうです。アドブルー用もそうですが、脱硝設備に使われる、濃度40%尿素水もかなり製造してますね。

長谷 芹沢さんとのお付き合いは尿素水からなので、思い入れはありますよね。エイチツーもアドブルーに関連した装置や設備はかなり手掛けているので。

 

副生品とは?


芹沢 2つ目は副生品に強いです。

長谷 副生品って何ですか?

芹沢 例えば、コンデンサメーカから出るエッチング廃液に、塩化アルミが含まれているんですね。それを排水処理でPACの代替品として使ってもらうんです。

長谷 今まで捨てていたものを、買ってもらうってこと?

芹沢 そうそう、産廃だったものを再利用するんです。

長谷 それは廃液を回収して、そのまま別の現場の排水処理場へ持って行って使うの?

芹沢 基本的にはそうです。

長谷 へえ。PACの代替になるんですか?同じアルミですが・・・

芹沢 もちろん、話が出たときにテストしますよ。OKが出たら、運用させる感じですね。

長谷 なるほど~Win-Winの事業ですね。

芹沢 こないだ長谷さんから相談のあった、リン酸カルシウムの溶解あったじゃないですか?

長谷 ボンデ液のやつね。

芹沢 例えば、ああいった、リン酸亜鉛やリン酸マンガンやリン酸カルシウムのスラッジですけど、今まで費用を出して産廃に出していたものを買い取ってもらえる道筋を作るのが、けっこう面白いですね。

長谷 芹沢さん、ボンデスラッジの有効活用なんてできたら、喜ぶ人めちゃめちゃいますよ。

芹沢 頑張ります(笑)

 

芹沢 3つめは粉体加工ができる点ですね。

長谷 詳しく教えて下さい。

芹沢 例えば、リン酸と赤土を混ぜて土木系資材を作る事が出来ます。主に土木系の用途になってしまいますが、あまり他社さんではやっていない事業ですね。

 

薬品業界について

長谷 芹沢さんは僕と同い年ですがいろいろ自分のいる業界に関して危機感を持っているということでしたが?

芹沢 そうですね。やっぱり最近は国内産業の縮小が顕著なので、価格のたたき合いと業者同士のつぶし合いが激しくなっていると感じます。

長谷 ポンプ業界も近いものがありますね。

芹沢 大手薬品メーカーは一時期海外輸出へシフトしたんですが、それも頭打ちになって。

長谷 国内生産し出したってことですか?

芹沢 そうです。中国を例にとると以前は中国製の薬品はかなり安かったんですが、中国も最近は環境対応してきて。環境規制が厳しくなって対応出来ない会社はボコボコ潰れてるんです。さらに設備投資に合わせて価格も上がるので、中国品の輸入品に関しても魅力が少ないのが実情です。モノによりますが。

長谷 どんどん国内市場に関しては縮小していくし、海外展開も頭打ちってことですか?

芹沢 今はまだ静観できますけど、将来はわからないですね。なのでそこは危機感を持って、行動しているところですが。

長谷 具体的には?

芹沢 長谷さんたちと一緒です。

長谷 ポンプやるの?

芹沢 違います(笑)特定のユーザーの為の、特定の薬品を納めるようなイメージで。そのユーザーの為の高付加価値の薬品を作って、少量でも納品するという。

長谷 ニッチなところで勝負するってことね。

芹沢 そうですそうです。例えば、大メーカーから小分けメーカーに納められる硫酸は濃度98%の濃硫酸なんですが、うちはそれを希釈する設備があるじゃないですか。

それを今は例えば75%とか、だいたい「希硫酸」と言われる濃度にしてるんですが、もし特定ユーザーさんは「24・9%」がベストだったりしますよね?それをやっていこうというイメージですかね。

長谷 うちと一緒ですね。マスを対象にした汎用品は大手さんに任せて細分化の果てまでいくような「これが欲しかった!」を作るってことですね。

 

薬品屋さんって面白いの?


長谷 ところで、薬品屋さんってどんなところが面白いと感じます?

芹沢 急だな(笑)そうですね。

覚えることがとにかく多いんですが経験を積むと薬品業界の地図がわかってくるんで、そうなると本当面白いですよ。仕事は何でもそういうものかもしれませんが。

あと色々な工場に出入りできるし、薬品って「川上」の商売なんで、この製品はこうやって作られるんだ~というのが面白いですね。

長谷 好奇心が強い人には良いですね。ポンプ屋も色々な工場に入り込めるので、その点は同じですね。

 

工業薬品に品質ってあるの?

長谷 ところで、昔から疑問だったんだけど、薬品によって品質は差があるんですか?薬品自体で差別化が出来るものなのかというのが気になるところです。

芹沢 モノによりますけど、硫酸とかでも品質はけっこうありますよ。例えば精製硫酸というのがあって、それに対して複生硫酸というのがあります。白っぽかったりして、見た目でもわかる物もあります。あと次亜塩素酸に関してはグレードが決められているので、品質の概念はありますね。

長谷 なるほど。例えばポンプ業界だと、スペックやハンドリングとか色々な要素で差別化が出来るんですが、薬品は難しそうだなって思ってまして。

芹沢 そうですね。実際に1メーカーオンリーの薬品があるとしても、すぐに追従されることが多いんですね。

国内だと出回ってないけど、海外製だと入手できたり。

 

長谷 芹沢薬品さんでは今後こういうことに取り組みたいって言うものはありますか?

芹沢 環境への配慮やリスクの低い薬品への移行、ということを意識してまして。有機酸に力を入れたいと思っています。

長谷 クエン酸ですか?

芹沢 そうです。あとは先ほども話しましたけど、ニッチな薬品の提案ができるよう、よりネットワークを強化したい、と思っています。

 

エイチツーに期待すること

長谷 最後に、エイチツーに期待することをお聞かせ頂ければと思います。

芹沢 長谷さんが以前、開発段階と仰っていた、IOT関連のアプリケーションはすごく興味があります。

長谷 1年くらい開発してるやつですね。

芹沢 やっぱり時流として、どんどんモノがネットに繋がっていくと思うんですが、この業界はIOTに関してはまだまだ未開だな、と思うんです。

長谷 プレイヤーもあまりいないしね。

芹沢 なので、やっぱりエイチツーさんがそこをグイグイ行ってくれるのを期待しています。長谷さんたちそういうの好きそうなんで。

長谷 (笑)好きってことないですけど。僕らみたいな若い会社がアグレッシブにやれる分野だなとは思っていますが。実はもうある程度出来てますんで、後で見てみますか?

芹沢 ほんとですか!見ます!

 

~~~新製品を説明~~~~

 

芹沢 長谷さん、これほとんど完成じゃないですか。

長谷 実はもうすぐリリース案内出来ると思います。

芹沢 とりあえずウチ買いますよ。というか、実際「タンク残量を目視で確認するのが手間で困っている」というお客さんいるんで、提案しますよ。

長谷 ありがとうございます。是非お願いします。フィールドテストも兼ねて、協力会社さん探していたんです。

芹沢 ぜひやりましょう。このあと日程決めましょうよ。

長谷 とりあえずインタビューはこれで終わりという事で・・・

芹沢 はい、ありがとうございました。今後も薬品でお悩みのお客さんがいたら是非ご紹介して下さい。

芹沢 こちらこそ、ありがとうございました!